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フライス加工のトラブルシューティング

びびりの問題、切りくず詰まり、切りくずのリカット、好ましくない加工面品質、バリの発生、機械動力および工具の摩耗に関するフライス加工のトラブルシューティングのヒントが以下の表に記載されています。


原因解決策

びびり

  • 治具が弱い
  • 切削抵抗の方向を確認して適切なサポートを付けるか治具を改善する
  • 切込み (ap) を小さくして切削抵抗を減らす
  • よりポジ切削アクションのコースピッチおよび不等ピッチカッターを選択する
  • コーナRと平行ランドが小さいブレーカを選択する
  • 微粒子、ノンコートチップ、またはコーティングがより薄いチップを選択する
  • 切削抵抗に対してワークのサポートが不十分な箇所の加工を避ける




  • 軸方向に弱いワーク
  • ポジブレーカ付きのスクエア肩削りカッター(切込み角 90°)を検討する
  • Lブレーカ付きチップを選択する
  • より小さい切込み、より小さいコーナRと平行ランドで軸方向の切削抵抗を下げる
  • 不等ピッチのコースピッチカッターを選択する
  • 工具摩耗をチェックする
  • ツールホルダの振れをチェックする
  • 工具のクランプを改善する

  • 突き出し量の長い工具
  • 突き出し量を最小にする
  • 不等ピッチのコースピッチカッターを使用する
  • 切込み角45°、大K名コーナRまたは丸チップカッターで径方向および軸方向の切削抵抗をバランス調整する
  • 刃当たり送りを上げる
  • 軽切削チップブレーカを使用する
  • 軸方向切込み (af) を下げる
  • 仕上げにアップカットを使用する
  • オーバーサイズカッターおよびCoromant Capto®カプリングアダプタを使用する
  • 超硬エンドミルおよびヘッド交換式ミルには刃数の少ない工具および/またはねじれ角の大きい工具を試す

  • 弱いスピンドルでのスクエアショルダー部のフライス加工
  • できる限り小さいカッター径を選択する
  • ポジおよび軽切削のカッターおよびチップを選択する
  • アップカットを試す
  • スピンドルのたわみをチェックして機械に対す手許容可能かを確認する

  • テーブル送りが不規則
  • アップカットを試す
  • 機械の送り機構を増し締めする: CNC機械の送りスクリューを調整する
  • 従来の機械のロックスクリューを調整するかボールスクリューを交換する

  • 切削条件
  • 切削速度 (vc) を下げる
  • 送り (fz) を上げる
  • 切込み (ap) を変える

  • 安定性が悪い
  • 突出し量を減らす
  • 剛性を改善する

  • コーナでにびびり
  • コーナRを大きく、送り速度を下げてプログラムする



切りくず詰まり
フル溝加工時の一般的な障害 –
特に長い切りくずが発生する被削材の場合

  • チップコーナ欠損
  • 刃先のチッピングおよび欠損
  • 切りくずの再切削
  • 十分な量の方向性の良好な切削油または圧縮エアーを使用して切りくず排出を改善する
  • 送り(fz) を下げる
  • 深い箇所の切削を複数のパスに分ける
  • 深溝でアップカットを試す
  • コースピッチ カッターを使用する
  • 超硬エンドミルまたはヘッド交換式の2刃または最大3刃のミルおよび/またはねじれ角の大きなミルを使用する



切りくずのリカット
フル溝加工およびポケット加工で表われます –
特にチタン合金の場合。たて型旋盤での深いキャビティやポケットのフライス加工の際も表われます。

  • 切れ刃破断
  • 工具寿命および加工安定性への悪影響
  • 切りくず詰まり
  • 圧縮エアーまたは十分な量の切削油供給二より切りくずを効率的に排出する – 内部給油が好ましい
  • カッター位置およびツールパスを変更する
  • 送り(fz) を下げる
  • 深い箇所の切削を複数パスに分ける



不十分な加工面品質

  • 過度の回転当たり送り
  • カッターを軸方向にセットする、または別のタイプのチップを使用する。インジケーターで高さをチェックする
  • スピンドルの振れとカッター取付け面をチェックする
  • 回転辺り送りを平行ランド幅の最大70%に下げる
  • 可能であれば(仕上げ用に)ワイパーチップを使用する

  • びびり
蒸気の「びびり」セクションを参照する

  • 構成刃先の形成
  • 切削速度 (vc) を上げて加工温度を上げる
  • 切削油の供給を止める
  • すくい角側が滑らかなシャープな刃先のチップを使用する
  • ポジチップブレーカを使用する
  • 切削条件の高いサーメット材種を試す
  • 裏面取り
  • スピンドルの傾斜をチェックする (約0.10 mm/1000 mm (0.004 inch/39.370 inch))
  • スピンドルの軸方向の振れ (TIR) は、仕上げ加工中7 マイクロメートルを超えないこと
  • 径方向の切削抵抗を下げる(切込み (ap) を小さくする)
  • 小さいカッター径を選択する
  • 平行ランドの平行度と使用ワイパーチップをチェックする(「ヒールまたはトー」に立っていないこと)
  • カッターがぐらついていないかを確認する – 取付け面を調整する
  • 加工物のつぶれ
  • 送り (fz) を下げる
  • クロスピッチカッターまたはエキストラクロスピッチ カッターを選択する
  • カッター位置を調整して抜け際の切りくずをより薄くする
  • より適した切込み角 (45°) および軽切削ブレーカを選択する
  • シャープなチップを選択する
  • 逃げ面摩耗もチェックして過度の摩耗を避ける



バリの発生

  • 被削材特有 – 耐熱合金 (HRSA)/ステンレス鋼
  • 主にノッチ摩耗が発生するメカニズム
  • 大きなRを使用してチップの切込み角を小さくする
  • 切込みをR以下にする
  • ap = 0.5 x R



機械動力

回転速度が低過ぎると機械の効率が落ちるので、動力曲線にに注意してください

フライス加工における所要動力は以下の要因で変わります:

  • 除去する切りくずの量
  • 平均切りくず厚さ
  • カッター形状
  • カッター回転速度
  • クロスピッチからコースピッチへ進む。つまり刃数が少ない方へ
  • ポジカッターはネガカッターより効率的です
  • テーブル送り前では切削速度を下げる
  • 小さいカッターを使用してパスを複数にする
  • 切込み (ap) を下げる

チップの摩耗

最適な切削条件と最も優れた部品品質と工具寿命を達成するため、加工後は常にチップ/切れ刃を確認することを忘れないでください。原因とソリューションのこのリストを使用して、 良好なフライス加工のための基準としてチップマッ網のさまざまな形を確認してください



原因
解決策

逃げ面摩耗
速い摩耗は不十分な加工面品質や公差から外れる原因になります。


  • 切削速度が高すぎる
  • 不十分な摩耗耐性
  • 送り (fz) が低すぎる

  • 切削速度 (vc) を下げる
  • よち摩耗耐性のある材種を選択する
  • 送り (fz) を上げる

逃げ面摩耗
過度の摩耗は工具寿命を短くする原因になります。


  • びびり
  • 切りくずの再切削
  • 部品にバリが発生
  • 加工面が粗い
  • 発熱
  • 過度のノイズ

  • 送り (fz) を上げる
  • ダウンカットを使用する
  • エアーブローを使用して切りくずを強制的に排出する
  • 推奨切削条件を確認する

逃げ面摩耗
不均一な摩耗はコーナ欠損の原因になります。


  • 工具の振れ
  • びびり
  • 工具寿命が短い
  • 加工面が不良
  • ノイズレベルが高い
  • 径方向の抵抗が高すぎる

  • 振れを0.02 mm (0.0008 inch) 以下に抑える
  • チャックとコレットを点検する
  • 工具の突出しを最小にする
  • 切削中の刃数を少なくする
  • より大きい工具径を選択する
  • 超硬エンドミルおよびヘッド交換式ミルには、ねじれの大きいブレーカ (ap ≥45°) を選択する
  • 軸方向の切込み (ap) を複数パスに分ける
  • 送り(fz) を下げる
  • 切削速度 (vc) を下げる
  • HSMには浅い切込みが必要です
  • ワークと工具のクランプ状態を改善する

クレーター摩耗
過度の摩耗は弱い刃先の原因になります。副切刃の刃先の欠損は加工面品質が不十分になります。


  • すくい面が高すぎて切削温度による拡散摩耗が発生

  • Al203コーティング材種を選択する
  • ポジチップブレーカを選択する
  • 回転速度を下げて温度を下げてから、送りを下げる

塑性変形
刃先の塑性変形、陥没またはフランク面の
盛り上りは、不十分な切りくず処理、不十分な加工面仕上げおよび
チップ破損を引き起こします。


  • 切削温度と切削圧が高すぎる

  • より摩耗耐性のある(高硬度)材種を選択する
  • 切削速度 (vc) を下げる
  • 送り(fz) を下げる

チッピング
切削中ではない刃先は、チップハンマリングによるダメージを受けます。上側とチップ用サポートの両方がダメージを受けることがあり、これが不十分な加工面のテクスチャや過度の逃げ面摩耗に繋がります。


  • 切りくずが切刃から逸れる

  • よりじん性の高い材種を選択する
  • 剛性の高い刃先のチップを選択する
  • 切削速度 (vc) を上げる
  • ポジブレーカを選択する
  • 切削開始時の送りを下げる
  • 剛性を改善する

チッピング
小さな刃先の破断(つぶれ)が
不十分な加工面品質や過度の逃げ面摩耗を引き起こします


  • 材種が脆すぎる
  • チップのブレーカが弱すぎる
  • 構成刃先

  • よりじん性の高い材種を選択する
  • 剛性の高いブレーカのチップを選択する
  • 切削速度 (vc) を上げるかポジブレーカを選択する
  • 切削開始時の送りを下げる

ノッチ摩耗
ノッチ摩耗は不十分な加工面品質刃先欠損の原因になります


  • 加工硬化被削材
  • 表皮黒皮およびスケール

  • 切削速度 (vc) を下げる
  • よりじん性の高い材種を選択する
  • 剛性の高いブレーカを使用する
  • 45°に近い切削角を使用する
  • 最良の加工結果には丸チップを使用する
  • 切込み角 (ap) をいろいろ変えて摩耗を引き延ばす

熱亀裂
刃先に対して垂直な小さな亀裂は
加工温度の変化によりつぶれや不十分な加工面品質の原因になります。


  • 断続面加工
  • 切削油の供給が変動する

  • 熱亀裂により耐性のある高じん性材種を選択する
  • 切削油は十分な量を供給するかまったく供給しないこと

構成刃先 (BUE)
構成刃先が引き裂かれると、不十分な加工面品質や刃先つぶれの原因になります。


  • 切削領域の温度が低すぎる
  • 低炭素鋼、ステンレス鋼およびアルミ合金のような非常に粘性が高い被削材

  • 切削速度 (vc) を上げる
  • より適切なチップブレーカに変える

構成刃先 (BUE)
被削材が刃先に溶着する。


  • 切削速度 (vc) が低い
  • 送り (fz) が低い
  • ブレーカがネガティブ
  • 不十分な加工面品質

  • 切削速度 (vc) を上げる
  • 送り (fz) を上げる
  • ポジブレーカを選択する
  • オイルミストか切削油を使用する

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