フライスカッターピッチの選び方

加工用に最適な有効刃数 (zc) を選定する際、ピッチ(刃と刃の間の距離)を考慮することも大切です。
生産性、加工安定性および所要動力に大きく影響するため、正しいフライスカッターピッチの選定は大切です。
刃数 (zn)

刃数の多いカッター
刃数を増やすことにより、切削速度と刃当たり送りはそのままで、また刃先の熱の発生を増加させることなくテーブル送りを上げることができます。
しかしながら、刃数が増えると工具の形状が変わります。刃と刃の間の距離が短くなるということは、切りくず排出用のスペースが狭くなることになるため、ほとんどの場合カッターを等ピッチにする必要があります。
所要動力が切削中に食いつく刃数の制限要因になることがしばしばあります。
不等ピッチ

不等ピッチカッター
不等ピッチカッターはカッターの歯と歯の間のスペースが均一ではありません。このタイプのカッターは高調波振動を分散するというメリットがあります。それにより加工安定性が向上しびびりのリスクが低減します。これは、切削幅 (ae) が大きい、突き出し量が長い時のフライス加工に特に有効です。

通常ピッチ

不等ピッチ
コースピッチ、クロスピッチ、エクストラクロスピッチ
通常以下の3種類のカッターピッチを選択でき、用途に合わせて最適化するときの助けになります。コースピッチ、クロスピッチ、エクストラクロスピッチ。
加工安定性が良好で切削幅 (ae) が狭い加工に対しては、より狭いピッチのカッターを使用します。 これにより、常に1つ以上の刃が切削中に食いついています。

コースピッチ

クロスピッチ

エクストラクロスピッチ
コースピッチフライスカッター、-L
刃数が少ない不等ピッチカッター 。
- 切削抵抗が最も低いため、不安定な加工の第一推奨
- 出力に制限がある
- ツーリングの拡張
- フル溝加工
- 長い切りくずが発生する被削材 非鉄材 (ISO N) (大きなチップポケット)
クロスピッチフライスカッター、-M
刃数が中くらいの等ピッチまたは不等ピッチカッター。
- 安定した条件の荒加工の第一推奨
- 優れた生産性
- 鋼材 (ISO P)、ステンレス鋼 (ISO M)、耐熱合金 (ISO S) の荒加工に適したチップポケット
エクストラクロスピッチフライスカッター、-H
刃数が最大の等ピッチカッター 。
- 高生産性用の第一推奨、低切削幅 (ae) – 常に1刃以上が切削中食いついています
- 鋳鉄 (ISO K) の荒加工および仕上げ加工
- 丸チップと組み合わせた耐熱合金 (ISO S) の荒加工
注: 型番に追加されたXは、基本デザインよりもわずかに狭いピッチが採用されたカッターバージョンであることを示しています。
