Eモビリティ加工課題の克服

製造業者は、より持続可能な製造および生産を採用する必要があります。このことは、自動車産業においては、アルミ合金のようなねばりが強い被削材を含むさまざまなタイプの電気自動車 (EV) 向けの部品を加工することを意味します。しかしながら、EVの設計は完全電気自動車、各種ハイブリッドシステム、バッテリ駆動システムなど、一般に考えられている以上に多種多様です。
新しい低排出自動車やゼロエミッション自動車への期待は絶えず高まっています。例えば、ヨーロッパの法規制ロードマップは、2025年までに自動車によってもたらされるキロメートル当たりの二酸化炭素の平均グラム数 (g/km) を、2015年の受入可能限界に比べて半分にする目標を掲げています。
EVとハイブリッド車の導入は、世界の排気量の削減における大きな前進でした。しかし、電気自動車向けの部品の製造はそれほど簡単ではありません。製造業者は、効率を向上させるために車両を十分に軽量化する必要があります。
それはアルミ合金のような軽金属を使用することを意味します。その上、相手先商標製品の製造会社 (OEMメーカー) は、完全電気自動車、内燃エンジンと電気モータの両方を使用するハイブリッド車、およびバッテリ・電気自動車を含む一連のEV設計向けのこれらの部品を、持続的に生産する必要があります。
サンドビック・コロマントのアルミ合金製自動車セールスマネージャーのフェルナンド・オリヴェイラは、「電動モビリティすなわちEモビリティは、単に電気モータが動力の自動車ということよりはるかに多様なことであり、その多様性は、さまざまな部品にそれぞれ独自の加工課題があることを意味します。EVのエンジンの設計は、今日の燃焼エンジンモデルより多様なものとなるでしょう。」と話しています。

サンドビック・コロマントは、自動車のアルミ合金部品用の専用フライスカッター「M5シリーズ」を開発しました。それぞれの工具が用途に応じてさまざまな加工作業にメリットをもたらし、従来のフライスカッターでは避けられないバリ、スクラッチおよびチッピングを最小限に抑え、アルミ合金の薄肉加工を実現するためにカスタマイズされています。
M5シリーズは、アルミ合金をより容易に加工するため独自の軸方向および半径方向の位置決めがなされたフライスカッターです。M5Q90は、新たに鋳造されたアルミ合金部品の加工面をきれいに仕上げるためのキューブ加工用カッターです。M5B90正面フライスカッターコンセプトは、シリンダーヘッド、ブロックおよび被削材への切込みが大きいその他のアルミ合金部品の仕上げ加工専用カッターで、優れた性能を発揮します。

M5カッターM5B90 (左) とM5C90 (右)
M5C90は、1つの工程で荒加工と仕上げ加工が可能なステップテクノロジーを採用した刃先交換式チップにより、バリ、スクラッチや欠損が発生しない、スムーズな切削アクションを実現します。そしてM5F90は、1回の加工で薄肉アルミ合金部品を加工するための専用のPCDろう付けカッター正面フライスカッターです。
M5フライスカッターを使用することで、お客様は部品当たりコストの大幅な削減に繋がる大幅な工具寿命の延長および生産性の向上を実現しました。
E-モビリティは、より環境に優しい未来への道を開いています。M5シリーズは、より高い生産性、品質向上、工具の摩耗低減を実現します。